
司法書士が作成する本人確認情報は、不動産登記において登記識別情報(旧登記済証)が提供されない場合に、本人確認を行うための補完的な書類です。この情報は、登記義務者(売主や贈与者など)が本人であることを司法書士が確認し、その内容を証明するために作成されます。
以下に、本人確認情報の概要、構成、手続き、注意点について詳しく説明します。
1. 本人確認情報とは?
(1) 概要
本人確認情報は、不動産登記法第23条第4項に基づき、司法書士が作成する書類です。
登記識別情報(または旧登記済証)が紛失された場合や何らかの理由で提供できない場合に、登記申請を進めるために必要となります。
(2) 目的
登記義務者が本人であることを確認し、不正な登記申請を防ぐことを目的としています。
2. 本人確認情報の構成
本人確認情報は、以下の内容を含む書類として作成されます:
(1) 確認手続きの方法
司法書士がどのようにして本人確認を行ったかを具体的に記載します。
面談の日時、場所
使用した本人確認書類(例:運転免許証、マイナンバーカード)
(2) 登記義務者の情報
氏名
住所
生年月日
登記義務者の本人であることを確認した旨
(3) 本人確認に使った資料
本人確認書類の種類と内容
例:運転免許証の番号、有効期限
その他の補助資料(例:住民票、戸籍謄本など)
(4) 面談内容
登記の内容について、登記義務者の意思確認を行った結果を記載します。
例:「売却について意思の確認を行い、異議がないことを確認した」
(5) その他の事項
作成者(司法書士)の署名・押印
作成年月日
3. 本人確認情報の作成手続き
(1) 登記義務者との面談
司法書士は、登記義務者と対面で面談を行い、以下の内容を確認します:
登記義務者が本人であること
登記申請の意思があること
(2) 本人確認書類の提示
登記義務者は、司法書士に対して有効な本人確認書類を提示します。
有効な本人確認書類の例
運転免許証
マイナンバーカード
パスポート
健康保険証(補助資料の提示が必要な場合も)
(3) 必要書類の収集
本人確認書類のコピー
住民票や戸籍謄本(必要に応じて)
(4) 本人確認情報の作成と提出
司法書士が本人確認情報を作成し、不動産登記申請時に法務局へ提出します。
4. 本人確認情報が必要な場合
(1) 登記識別情報が提供できない場合
不動産の売買や贈与、相続などで、登記識別情報を紛失した場合。
(2) 旧登記済証がない場合
登記識別情報が発行される以前の登記済証(紙媒体)が紛失されている場合。
(3) 不動産の権利変更で本人確認が必要な場合
所有権移転登記や抵当権抹消登記などで、登記義務者の本人確認が求められる場合。
5. 本人確認情報の重要性と注意点
(1) 登記申請の信頼性を担保
本人確認情報は、登記申請の正当性を証明するために極めて重要です。不備や不正があれば登記申請が却下される可能性があります。
(2) 責任の所在
本人確認情報を作成した司法書士は、その内容について責任を負います。適切な確認手続きを怠ると、損害賠償請求や懲戒の対象となることがあります。
(3) 偽造や成りすまし防止
本人確認書類が偽造されている場合や、登記義務者が成りすましを行った場合でも、司法書士の確認不十分と見なされる可能性があります。そのため、慎重な対応が求められます。
6. まとめ
本人確認情報は、不動産登記の信頼性を確保するために不可欠な書類です。司法書士は、登記義務者と面談を行い、本人確認書類の提示を受け、内容を詳細に記載した本人確認情報を作成します。
ポイント:
登記識別情報が紛失している場合に必要となる。
司法書士が責任を持って作成し、不動産登記申請時に提出する。
面談や本人確認書類の確認を慎重に行うことが重要。
不動産登記の手続きにおいて、本人確認情報の作成に不安がある場合は、事前に司法書士へ相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。

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L&Mコンサルティング司法書士事務所
司法書士 望月大
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