不動産購入契約で押さえるべきポイント:重要事項説明から手付金の扱いまで
- 司法書士 望月大
- 1月9日
- 読了時間: 4分
不動産購入は人生で最も大きな買い物の一つです。そのため、契約時には多くの注意点があり、事前に知識を備えておくことが重要です。本記事では、不動産購入契約で押さえるべきポイントを「重要事項説明」から「手付金の扱い」まで詳しく解説します。
1. 重要事項説明とは?
(1) 重要事項説明の役割
重要事項説明は、不動産購入契約を締結する前に、不動産業者が買主に対して物件や契約内容に関する重要な情報を説明する手続きです。不動産取引の透明性を確保し、買主がリスクを理解した上で契約を進めることを目的としています。
(2) 説明される内容
物件の概要:土地や建物の所在地、面積、構造。
法令上の制限:都市計画法や建築基準法による制限。
設備やインフラ:水道や電気、ガスなどの整備状況。
契約解除条件:契約を解除できる条件や違約金の設定。
その他のリスク:周辺環境や災害リスクなど。
(3) 不動産購入の注意点
不明点があればその場で確認する。
口頭だけでなく、書面(重要事項説明書)を受け取り、内容を精査する。
宅地建物取引士が説明を行うことを確認する(資格者証を提示されます)。
2. 手付金の扱い
(1) 手付金とは
手付金は契約締結時に買主が売主に支払うお金で、売買価格の一部に充当されます。通常、物件価格の**5%〜10%**が目安です。
(2) 手付金の種類
解約手付
一定の条件下で契約を解除するために使われます。
買主が解除する場合、手付金を放棄。売主が解除する場合、手付金の倍額を返還。
違約手付
契約違反があった場合の損害賠償の担保として扱われます。
(3) 注意点
手付金の額が大きすぎないか確認する(法律上の制限はありませんが、一般的には10%を超えない)。
手付金を現金で支払う場合は領収書を必ず受け取る。
クレジットカード決済や銀行振込が可能か確認する。
3. 契約書に盛り込むべきポイント
(1) 売買契約書の重要項目
物件の特定
物件の住所、面積、構造、附属設備などが正確に記載されているか。
売買代金と支払い条件
売買代金の総額、支払い方法、支払い期日。
引き渡し条件
引き渡しの日付や条件、設備の動作確認。
違約金や損害賠償の規定
契約違反があった場合の対応策や金額。
契約解除条件
住宅ローンが通らなかった場合など、契約を解除できる特約。
(2) 注意点
契約書の内容をしっかり読み込み、不明点があれば質問する。
契約書のコピーを受け取り、大切に保管する。
4. ローン特約の重要性
(1) ローン特約とは
買主が住宅ローンの審査に通らなかった場合、ペナルティなしで契約を解除できる条項です。
(2) 注意点
ローン特約が含まれているか確認する。
特約の内容(解除条件、返金規定など)を詳細に確認する。
審査結果の通知期限を守る。
5. 仲介手数料の確認
(1) 仲介手数料の計算方法
仲介手数料は物件価格に応じて以下のように計算されます:
200万円以下:5%
200万円超〜400万円以下:4%
400万円超:3%
(2) 注意点
仲介手数料は契約時または引き渡し時に支払うことが一般的です。
手数料額が適正かどうか確認し、不明瞭な請求がないか注意する。
6. 契約後の注意点
(1) 引き渡し時の確認
契約書に記載された設備が正しく動作しているか確認する(例:エアコンや給湯器)。
売主との立会いで、物件の状態に問題がないことを確認。
(2) 登記手続き
不動産の名義変更(所有権移転登記)は、契約後に司法書士が手続きを行います。
登記費用や固定資産税の清算について事前に確認しておきましょう。
7. トラブルを防ぐためのポイント
不動産業者や宅地建物取引士に疑問点を遠慮なく質問する。
重要事項説明書や契約書を自分で読み解けない場合は、信頼できる専門家(司法書士や弁護士)に相談する。
手付金や契約解除条件など、金銭的なリスクを明確に把握しておく。
8. まとめ
不動産購入契約では、重要事項説明を丁寧に確認し、手付金や契約条件をしっかり理解することが重要です。また、契約後のトラブルを防ぐために、契約書やローン特約の内容を慎重に確認しましょう。
ポイントを押さえた契約手続きで、安心して理想の住まいを手に入れましょう!

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