ペアローンについて
- 司法書士 望月大
- 1月9日
- 読了時間: 4分
ペアローンとは
ペアローンとは、住宅ローンの一種で、夫婦や親子など2人以上がそれぞれ個別に住宅ローンを組む仕組みです。通常、1人でローンを組む単独ローンと異なり、ペアローンでは2人がそれぞれローン契約者となり、連帯保証人として互いのローンを支え合います。
これにより、借入可能額を増やしやすいため、希望に近い物件を購入できるケースがあります。
ペアローンの基本的な仕組み
各自が個別にローンを契約夫婦や親子がそれぞれ銀行とローン契約を締結します。2人分の借入額が合算されるため、高額な物件でも購入しやすくなります。
互いに連帯保証人となる2人とも契約者であるため、互いのローンに対して連帯保証人になります。これにより、どちらかが支払い不能になった場合、もう一方が支払い義務を負います。
ペアローンの特徴
メリット
借入可能額が増える
収入を合算するため、単独でのローンよりも高い借入限度額が設定されます。
例えば、夫の年収が500万円、妻の年収が300万円の場合、合計800万円分の収入を基に審査されます。
夫婦や親子で負担を分け合える
住宅ローンの負担をお互いに分担することで、家計の負担を軽減できます。
住宅ローン控除を個別に利用できる
ペアローンの場合、2人ともローン契約者となるため、それぞれが住宅ローン控除を適用できます。
控除額の上限が倍になるため、節税効果が期待できます。
デメリット
諸費用が2倍になる
ローン契約が2つになるため、事務手数料や保証料、火災保険料などの諸費用がそれぞれ発生します。
例:保証料が借入額の2%の場合、夫婦それぞれの借入額に基づいて計算されます。
連帯保証のリスク
どちらか一方が支払い不能になった場合、もう一方が全額を支払う義務を負います。
年収バランスによる制約
夫婦の年収差が大きい場合、ペアローンのメリットが薄れることがあります。例えば、片方に収入が集中している場合、単独ローンの方が手続きが簡単になるケースもあります。
ペアローンを利用する際の注意点
① 収入バランスを考慮する
夫婦や親子で収入が大きく異なる場合、どちらか一方に過剰な負担がかかることがあります。ローンの割合を調整するか、他のローン方式(収入合算など)も検討しましょう。
② 離婚や関係悪化に備える
ペアローンは、2人で支え合う前提の仕組みです。しかし、離婚や親子関係の変化があった場合、ローン返済や不動産の扱いが複雑になる可能性があります。契約前に慎重に話し合いをしましょう。
③ 返済負担率を確認する
借り入れ可能額が増えるとはいえ、無理な返済計画を立てないことが重要です。お互いの収入や将来の支出(教育費や老後資金など)を考慮して、返済可能な範囲で借り入れを検討しましょう。
ペアローンと他のローンの比較
項目 | ペアローン | 収入合算ローン | 単独ローン |
借入可能額 | 夫婦の収入を合算して、それぞれが借り入れる | 夫婦の収入を合算して、1人が借り入れる | 申込者1人の収入のみで借り入れ可能額を算出 |
契約者 | 夫婦(または親子)の双方が契約者 | 1人が契約者、もう1人は連帯保証人 | 契約者1人 |
連帯保証 | お互いに連帯保証人となる | 配偶者が連帯保証人になる | なし |
住宅ローン控除の適用 | 2人がそれぞれ受けられる | 契約者のみが受けられる | 契約者のみが受けられる |
諸費用 | 2倍になる(手数料、保証料など) | 単独ローンと同じ | 単独ローンと同じ |
ペアローンが向いている人
収入が安定した夫婦や親子
どちらも安定した収入があり、連帯保証のリスクが小さい場合。
高額な物件を購入したい人
単独ローンでは借入可能額が足りない場合、ペアローンで総額を増やせる。
住宅ローン控除を最大限活用したい人
2人分のローン控除が適用されるため、節税効果を期待する人に適しています。
まとめ
ペアローンは、夫婦や親子で住宅ローンを分担し、借入可能額を増やせる便利な仕組みです。ただし、諸費用が2倍になることや連帯保証のリスクがあるため、慎重に検討する必要があります。
利用を検討する際は、自分たちの収入バランスや将来のライフプランを考慮し、住宅ローン控除や借入額のメリットを最大化する方法を選びましょう。ローンの選択に迷った際は、金融機関やファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。

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